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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第410回 トランプの壁は福音となるか

2017-01-26

ドナルド・トランプはメシアかサタンか。
賛否ウズ巻くなか、「米国第一」を掲げ彼は四五代米大統領に就任した。
万事、祖国の利を優先し保護主義に徹し、外国(人)のことは「関知しない」という姿勢。
顕著な例がメキシコとの関係。国境沿いに壁を作り、メキシコ人の不法入国を遮断する考えだ。
一一○○万人ものメキシコ不法移民は米国人の税金を食い、仕事を奪い、麻薬売買、犯罪の温床になっていると言う。
豊かさを求め四五万人以上が毎年無断で越境して来るが、その越境阻止にトランプは「壁の建設」を主張してきた。
米墨国境は加州、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサス四州をほぼ横に三一四一㌔、国境沿いに検問所が四二ヵ所。
検問所を避けて大河リオ・グランデ(幅二○○㍍)を泳ぎ越境する不法移民を米国人はウエット・バック(ぬれた背中)と呼び軽蔑している。
トランプは壁の初案者にあらず。「安全柵法」(○六年制定)に基づき国境の三分の一、一○七八㌔(高さ七~九㍍)が既に建設済みだ。
NBCによると、一マイル(一・六㌔)につき一六○○万㌦かかる。
残り二○六三㌔の建設費三三○億八○○万㌦(三兆七七○○億円)をメキシコに払わせると言う。
メキシコは一切の支払いを拒んでいるから、財源先が別途必要になる。
 一案は本国に送金する不法移民のドル送金の没収、二案は国境通行バス料金値上げ。
三案は不法移民向け扶養児童控除(四兆六八○○億円)の廃止、四案は中国、インドに毎年充てる移民枠三十万人を縮減し、縮減分をメキシコに充てる、などだ。
しかしトランプは、農業人口の四五%と3K労働の大半を担う不法移民を切り捨てるから、肉体労働市場の混乱を招きそうだ。
ここから「米国第一」のほころびが始まるかもしれない。
 壁は人によって建てられ、人によって破壊され、とわに立ち続けることができない。
一九六一年建造のベルリンの壁は八九年に崩壊した。自由と豊かさを求める民衆の勝利だった。
壁で人を遮る「米国第一」がとわに永らえるはずがない。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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