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コラム

後藤英彦のぶっちゃけ放題!
第406回 米国の稲作パイオニア、国府田家

2016-12-22

アメリカ稲作のパイオニアとその孫について語ろう。
大日本農会(総裁=秋篠宮殿下)からこのほど農事功労者表彰を受けたロス・コウダ氏にLA総領事公邸で会った。
表彰を嘉し天皇陛下誕生祝賀の席に招かれたのだった。
紹介の労をとったのは大日本農会南加支会会長の小山信吉氏と南加福島県人会長のマイク紙本夫妻だった。
コウダ氏は米国有数の稲作「国府田農場」の経営者だ。種まき、生産、精米、販売のすべてをフレズノ市北に位置する同農場で一貫経営している。
元モデルの妻リサさんが「一目惚れした」という魅惑のスマイルを顔いっぱいに湛えている。
ライスキングの異名をとる祖父敬三郎は移民史に残る偉人の一人。二六歳で福島から移民、強制収容所で過ごした三年間に人手に渡った農地八千エーカーを、勝訴による賠償金で買い戻した。
八千エーカーは九七九万坪、東京ドーム六○七個分に当たる。
広い農地の種まきに初めて飛行機を導入、国府田米の大規模経営と品質改良に取り組んだ。
敬三郎の父、つまりコウダ氏の曽祖父は磐城平藩(六万七千石)の藩士。
譜代の磐城平藩は五代藩主、安藤信正が徳川将軍家の家老職に就くなど重用されたが、後世、戊辰戦争で薩長に敗れ藩と共に国府田家も衰退、精米業者に転身した。
敬三郎は日系人農家にとって不利な「外国人土地法」の撤廃に努め裁判に勝訴、公民権運動家としても活躍した。
日本の東京銀行の支店開業にも尽力し、米銀行の日系人への貸し渋りを解消した。
元UTBプロデューサーの岡野進一郎氏はNHK朝の連続小説「いちばん太鼓」の主演をはじめ映画「僕に翼をくれた犬」の主演、テレビの「大岡越前」「水戸黄門」のゲスト主演を演じた人だ。
岡野夫人がコウダ氏の妻リカさんの妹という縁で、岡野氏はコウダ氏の義弟になった。
岡野氏は国府田農場のオーガニック米を扱う「イナホ」を設立、デイストリビューターとしてコウダ氏を支えている。
国府田家三代手塩にかけた国府田米がいつか故郷日本に錦を飾り評判をとることが三代目コウダ氏と岡野夫妻の夢だ。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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後藤英彦

一九六四年時事通信社入社。旧通産省、旧農林省、旧大蔵省を担当後、ロサン
ゼルス特派員。本社海外部次長。途中希望退社して盛岡大学客員教授、評論活
動。二度目の来米でジャパン・ジャーナルを主宰。講談社、エルネオス系を中心
に寄稿中。主著に「日本をダメにした官僚の大罪」(講談社)。中大法学部法律
学科卒業。福岡県出身。グレンデール在住。

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後藤さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/jajala816




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