Los Angelesの顔
vol.20 中田 卓 さん
2016-09-09
写真師
●毎年、その干支生まれの著名人のポートレートを撮影されていますが、このシリーズのきっかけは?
12年前72歳になった時、同年生まれの現役で活動している人間の顔が無性に撮りたくなり、 “申年生まれ72歳の顔”の企画を某日系紙に持って行きました。そして、新年号干支の企画として受け入れられました。
●このシリーズの撮影時について教えてください。
原則として相手の方と1対1で行います。撮影前に30分くらいかけてお話をします。単なる顔写真にならないように心がけます。皆さんの身体から発する目の光はすべて異なります。その人の年輪を表しています。縁あってお会いした場所で行います。いいバックと光線状態の好きなスポットを選びます。一度設定したら私はモデルの人をあちこち動かしません。自然光撮影です。ライト、フラッシュは使いません。
●今年の著名人の中に、仲代達矢さんがいらしゃいました。
仲代さんには若い時を入れて4度お会いしています。今までお会いした著名人の中で最高に惚れた一人です。モデルに惚れると物凄いエネルギーが湧いてきます。72歳、84歳の時に撮らせていただきました。「こんどお互いに96歳になったらまたお会いしましょう」と約束しました。
●写真とは何でしょうか?写真は何を語るのでしょうか?
デジタルのすざましい進化で、誰でもスマホで簡単にしかも美しい写真が撮れる時代になりました。新聞、雑誌に掲載されている写真には凄さを感じます。
でも私はあまり大上段に構えないようにしています。企画の面白さを見つけ、テーマを掘り下げて活動が長続き出来るように心がけています。
●US101 PHOTO CLUBでの活動は長いですね。
37年目です。写真家中心にハイレベルのアマチュアなどで結成された芸術家集団です。決定的瞬間を後世に残せる作品として纏めるよう努力しています。
【中田さんinfo】日系写真家の宮武東洋氏が、渡米したばかりの中田さんを在米の日系人に“写真師”と紹介した。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。