Los Angelesの顔
vol.31 鬼頭 友子さん
2016-11-12
和菓子 風月堂の女将
●風月堂は創業113年ですが、三代目のブライアンさんと結婚するのに何か覚悟とかありましたか?
私はリトル東京で働いていましたが風月堂のことは全く知らなくて、結婚することで女将になる自覚もありませんでした。子育てもあったので、風月堂の歴史について意識し始めたのは110周年を過ぎた頃です。
私の実家は和菓子ではないので嫁いでから分からないことは調べています。けれど熊本の田舎の出身ですから、餅をついたり、お雑煮やお団子を作ったりしたので生活の中で和菓子は身近でした。
お饅頭屋さんて人間が生まれてから死ぬまでの間、全部面倒みれますよね。誕生のお祝いの紅白饅頭、七五三や他のお祝い事、結婚、出産、そして葬式。冠婚葬祭、全部です。お饅頭屋さんて日本の文化があって理解してもらえるものです。和菓子一つにしても、その後ろにストーリーがあります。例えばお正月のお飾りとか。アメリカでは文化の部分があまり浸透してないので、夏にリトル東京で開催される「LA七夕祭り」や「ねぶた祭り」は必要だと思います。
●日系アメリカ人のコミュニティに馴染む秘訣は?
話することが一番かな。「えぇ!?」と引くこともありますが、最初から突っぱねるより一度受け入れて、自分の中で消火した方が楽かもしれません。私は生まれも育ちも日本なので二つの文化を知っています。日系アメリカ人の文化と日本文化を比べがちですが、それはずるいのかなとも思います。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。