今月の庭仕事
Lesson 203
2018-02-07
新年のご挨拶をしたと思ったら、あっという間に一か月が過ぎ、2月に入りました。今年は去年に比べて雨が少ないように思えます。雨や雪が少ないと夏季の散水制限の悪夢が頭をよぎります。
冬の間は日照時間が短く、気温も低下して植物はあまり成長しません。地中の微生物の活動が低下して、地中の養分が植物に吸収される状態に変換される量が少なくなるので、植物は養分をあまり吸収できません。葉にも少量のエネルギーしか送れないので、光合成によって作られる糖分も減少します。細胞分裂には糖分が必要なので、成長が抑えられます。
冬はスプリンクラーを自動運転にせずに、乾燥してると思った時に散水すればいいでしょう。これで随分、水の使用量が節約できます。
2月は、3月、4月の気温の上昇と共に始まる植物の成長期を迎える準備の月といえます。「備えあれば憂いなし」です。
備えといえば、寒肥、果樹の剪定、バラの剪定、冬季休眠中に行う病害虫対策、病害虫を駆除するためのドーマントスプレーなどのことです。
寒肥をやった地中では、動きの遅い微生物たちがせっせと寒肥の有機肥料を成長期に間に合うように効肥の状態にすべく頑張っています。彼らの努力に報いるため、おいしい果実を収穫するため、きれいなお花を咲かせるために2月を有効に使いましょう。
剪定の仕方は本の写真やネットで検索できるのでここでは省きますが、気をつける点は、木の上部は中に光が入るように心がけてください。
ドーマントスプレーは、市販の説明書の「DO NOT」の部分を十分気をつけて読み使用しましょう。2、3種類の薬品を混合して使用する場合は、①混合が可能か ②どの順番で散布するか ③どの間隔で散布するかにも注意しましょう。
スプレーは、薬品をスプレータンクに定量入れて水と混ぜてシユーとすれば終わりと、簡単に考えていたら違います。①風速は適しているか? ②標的以外にかかってしまわないか? ③自身の防護は適当か?など気をつけましょう。薬品の人体への侵入経路は、目・鼻・皮膚があります。アイプロテクション,マスク、グローブを装着しましょう。この3つの条件が完全にできない場合、スプレーはできないと考えてください。
■コラムニスト:南加庭園業連盟の新垣安徳さん。「今月の庭仕事」の18回目から、自分の経験を元にコラムを書いていて、失敗&成功例まで経験豊富!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。