今月の庭仕事
Lesson 201
2017-12-27
冬になるといろいろな木の実が美しくなり、綺麗な花とは違った雰囲気を醸し出します。同時にその周りに集う小鳥たちのお喋りしながら楽しむ食卓にもなります。現在ではメジロ、ウグイス、ホオジロなどの捕獲は禁止されていると聞いていますが、私が子供の頃は、鳥たちが好きな実の付いてる小枝に鳥もちをつけてメジロなどを捕まえて、 春には籠の中で鳥がさえずるのを楽しんだものです。
今頃はポインセチアがホリデーシーズンの主役ですが、私達の身の周りを見渡たすと美しい実をならせるものが多く見られます。
その一つにピラカンタ(pyracantha)があります。実の大小はありますが大方が赤色で、時にはオレンジ色のものもあります。これも小鳥たちの好物なので大群で来られると瞬く間に全ての実がなくなります。枝にはひどい棘があります。
直径1センチほどの赤い光沢のある実をつけるアオキは、陰の強い庭に植えると目立ちます。残念なことに“アオキ”として店で販売されているほとんどは、葉に模様の入った観葉植物として出回っています。濃い緑の葉を持ち冬に光沢のある実を付けるものは、日本で庭木としてよく見かけますが、こちらではあまり見ません。おそらく毒性があると言われているせいかもしれませんが、他にも多くの植物があります。
オリアンダーはその良い例でしょう。こちらも赤い実ですが、私はカナダのバンクーバーにあるButchart Gardensで白い実を見たことがあります。少し煤けたような色だったのであまり観賞用には適さないでしょう。育成上の注意点として、幾分か陰になる場所を選び、適当な水分をいつも保つことです。葉が萎れるくらいにまで乾燥させると回復が困難です。よって、乾燥しにくくてある程度の日陰に植えるとよく育ちます。耐寒性はあります。
他には色違いの実を付ける紫式部があり、紫色の小さな実をいっぱいつけますが、これも小鳥たちの好物ですぐなくなってしまいます。
身辺の事情により、私がこの欄を受け持つのは今回を持って終わらせて頂くことになりました。日刊サン社の厚意と、読んでくださった皆様に厚く感謝いたします。有難うございました。皆様にとって、来る年が明るく健康な一年になることを祈っています。
■今回のコラムニスト:南加庭園業連盟会員の白澤まことさん。連盟主催の野菜セミナーで講師を務める。NTB「チャレンジ・ザ・ガーデニング」出演の経歴もあり。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。