旅は呼んでいる。
vol.12 トルコ ~イスタンブール~
2018-08-23
「トルコリラ急落」、「観光客が高級ブランドショップに殺到」、「エルドアン大統領がアメリカの電化製品ボイコットを表明」…元を辿ればトルコで拘束された米国人牧師の釈放が進まないのが発端らしく、ここ数日なんとも不穏な見出しが躍っている。外交というのは難しい。
紀元前にはビザンティオン、後に東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルと名を変えいまに至るイスタンブー ルは、古くからアジアとヨーロッパの文化を結ぶ交易地点。その最たる象徴は“アヤソフィア”ではないだろうか。キリ スト教の大聖堂だったが、オスマン帝国の領地になった際にイスラム教の典型的なモスクの外観に改築された経緯があるため、建物内にはイエス・キリストのモザイク画が残されている。館内スタッフが「このモザイク画は、右から見ても左から見てもキリストと目が合うように出来ているんだよ」と教えてくれた。
また、イスタンブールは夜も異国情緒たっぷりで美しい。“スルタンアフメト・モ スク”、通称ブルーモスクはライトアップされ神秘的でつい見とれてしまう。金角湾を挟んで向こう側、新市街に沈む月を眺めるのも良いし、比較的遅くまで活気のある旧市街の路面店で度数高めの地酒、ラクを嗜むのもおすすめ。
非喫煙者は抵抗があるかもしれないが、“シーシャ”と呼ばれるイスラム圏独特の水タバコが気軽に試せる。りんご味やキャラメル味を楽しみながら、散策で疲れた足を休めてはいかが?ちなみに、美味しかったので自分用の土産に買って帰ったが、火をおこすのが大変で今ではただのオブジェと化している。
さて、古より旅人の行き交う都市イスタンブール。欧州方面への途中、トランジットでお世話になるたびについ寄り道して数日過ごしてしまうのも、そんな歴史が関係しているのかもしれない。なお、“007スカイフォール”や“96時間/リベンジ”、“インフェルノ”などメジャーなアクション系映画にもよく登場するので、「お、見たことがあるぞ」と既視感を覚える可能性大!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

