キム・ホンソンの三味一体
vol.108 希望 〜LGBTQとその家族によるストーリーテリング〜
2018-11-08
私の家内と娘が韓国のボーイズグループ、BTSの熱烈なファンになったのは、確か今年のはじめの頃だったと思います。今年の夏に母親に会いに一人で韓国に帰った時、お土産としてリクエストされたのもBTSグッズでしたし、家の中でも、また週末に家族みんなでお出かけする時もBTSの音楽が車の中で延々と流れています。私にとってはどの曲も似ていてあまり区別がつかないのですが、家内や娘からするとそんな私が哀れに思えてしょうがないって感じです。
そして先日のことです。そのBTSが国連本部でしたスピーチが本当に感動的だったと家内から言われYoutubeの動画を観ました。なるほど、彼らの音楽は今一分からなかったけれども、彼らの持っているメッセージは充分に共感できるすばらしいものした。
そこで日本のメディアではどう書かれているのだろうかと記事を検索してみました。スピーチ全文の日本語訳を載せている記事がかなりあったのですが、肝心な箇所の翻訳がどれも残念なものばかりでした。それはそのスピーチの核心とも言える「No matter where you’re from, skin color, gender identity, just speak yourself.」のところでしたが、「君がどんなジェンダーであっても」、あるいは「どんな性別であっても」、そして最悪の場合は「男であっても女であっても」という始末でした。
ジェンダーアイデンティティーとは、自分の持って生まれた生物学上での性ではないとしても、自分が最も自分らしいと意識し認識する性を、自分の性として認知した状態のことです。要するに、彼(BTSのRM)は、性的少数者の人々に対して、迷わず勇気を持って自分らしく生きてほしいと言っているわけです。
11月17日、リトル東京のJapanese American National Museumでカリフォルニアでは史上初の日本語を話すLGBTQとその支持者のためのワークショップが行われます。LGBTQ当事者の方々、その家族や友人、または、人権の問題として学びたいと思われている方、その他、性的指向とジェンダーアイデンティティーの違いに対して偏見を持つのではなく、個性として受け入れるべきだと考えるすべての支持者の皆さんのためのイベントです。
【Okaeri 2018】 – A NIKKEI LGBTQ GATHERING –
申し込み:www.okaeri-losangeles.org
お問い合わせ:jokaeri2018@gmail.com ☎(310)339-9635
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。