Los Angelesの顔
No. 58 RiRia • 新村理々愛
2018-04-28
俳優・フルート奏者・ファッションインフルエンサー
―RiRiaさんは10歳からプロのフルート奏者として活躍し、17歳で単身渡米、そして現在はハリウッドで俳優として活躍しています。キャリア・チェンジのきっかけは何ですか。
小学6年生頃からアメリカのエンタメ業界に憧れて、14歳でマイケル・ジャクソンのパフォーマンスを見たことが大きな転機となりました。観客が白眼をむいて失神するほどのマイケルの迫力、存在感、圧倒的なパフォーマンス力は、それまでに見たことのないものでした。
クラシックのコンサートでは静かにしなければならなくて、観客がパフォーマンスの一部になることはなかったので、私もいつかビッグスケールなパフォーマーになりたいと思いました。ダンスは、マイケルのMVを見ながら独学で始めました。
17歳の時に両親と「フルートの世界大会で優勝すれば渡米し、フルート以外の活動もしていい」という約束をして、フランスでの世界大会で最年少優勝をしたので渡米しました。
ーRiRiaさんが14歳の時、フィギュアスケーターの浅田真央選手にバンクーバー・オリンピックで使用する楽曲を提供したそうですね。
ジャンルは違えど世界を舞台に戦っていた真央さんとタッグを組めて、私は一緒に「金」を目指す気持ちでした。お話をいただけて本当に嬉しかったです。スポーツメディアの囲み取材を受けたこともあり、良い経験になりました。
しかし同じだけの努力や結果を出してもスポーツ選手が受けるスポットライトはクラシック音楽家の私には当たりませんでした。なので少し悔しい気持ちがあったのも事実です。
ー俳優の他にモデルもしていますね。
アメリカではモデルと俳優の活動はとても密接で、特に駆け出しの俳優は両方行うことが多いです。実際に私も少し前まではモデルとしてテイラー・スウィフト、ジャスティン・ティンバーレイクやクリス・ブラウンのMVに出演していました。現場でのネットワークからCM、テレビ、映画の仕事に発展していきました。
ー最近、出演する作品を教えてください。
現在スナップチャットが展開する人気リアリティー番組「Nail The Look」で司会(host)、モデルとon-cameraスタイリストとして毎週出演しています。
FOXチャンネルとマーベルが共同制作したドラマ「The Gifted」と映画「Baby Driver」の監督、エドガー・ライトが手がけたNIKEの全米コマーシャルに出演したり、ネットフリック・オリジナルドラマ「僕だけがいない街(Erased)」で主役の内川蓮生（れお）が演じる藤沼悟役の英語版吹き替えを担当したりしました。
ーこれまで多くの監督やアーティストと仕事をして、一番刺激を受けたのは誰ですか。
NIKEの全米コマーシャルで一緒に仕事をしたエドガー・ライト監督です。彼の人柄、ビジョン、迷いのないディレクションを目の当たりして、本場の「ホンマもん」ってこういうことを言うんだなと思いました。
余談ですが、彼は私のインスタグラムをフォローしてくれて、私が映ったコマーシャル撮影時のビハインド・ザ・シーン写真にキャストのうち私だけをタグ付けしてくれたんです！大きなコマーシャルは彼のような映画監督がメガフォンをとるこもあり、彼らの次のプロジェクトのために覚えてもらえるチャンスです。とてもいい経験になりました。
ー海外で仕事をしながら、自分の中の日本人らしさを感じることはありますか。
撮影現場などでジョーク混じりに「You are too polite」と言われることが多々あります。日本人の思いやりや気遣いは世界のどこと比べても抜きん出たものなので、将来ビッグになってもその気持ちを忘れないでいたいです。
ーRiRiaさんのグラフィックデザインやファッションはとてもユニークですね。
インスピレーションは様々なところから来ています。カラフルな昆虫や鳥、好きな曲の歌詞だったり映画だったり。トレンドを少し取り入れるのも楽しいですが、「One of a kind」なヴィンテージやユニークなアイテムが自分らしさを出してくれると思います。今日は60年代のスケーターガール、明日は和製ガガと、毎日違うテーマがあります。
ー目標を教えてください。
俳優を目指した時から一貫した目標は日本人初アカデミー主演賞を獲ることです。一度始めたことはテッペンにたどり着くまでやり通します。先日、業界で5本の指に入るエージェンシー「Abrams Artists Agency」と契約し今年中にはメジャーネットワークのドラマでレギュラーになれる可能性も高いので毎日が進歩です。
【RiRiaさんのインスタグラム】
@RiRiaOfficial
@RiRiaOfficial_BTS
＜2018年4月28にち掲載＞
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
日刊サン編集部
