Los Angelesの顔
No. 72 一色 桂子さん
2018-11-03
Ballroom Formation Team 「Dance Now」主宰
連邦・州裁判所法廷通訳・翻訳者
◆いつ、どんなきっかけでダンスパフォーマンスグループ「Dance Now」を作ったのでしょうか。
息子が日本に留学したのをきっかけに、私は好きだったダンスを正式に習い始め、実力がつくとダンスコンペティションにも出場しました。最初は、リフトやアクロバティックなダンスカテゴリーで挑戦していましたが、ダンスの先生のお年から、体力的にもリフト等が大変になってこられたのを機に、社交ダンスに移行しました。
毎週末、ダンスパートナーとダンスパーティーに行っていましたが、そのうちに、「ただ楽しい」だけで終ったら、もったいないな、と思うようになりました。
私も含め、すごくダンス暦を積んで年配になったダンサーたちは、パーティーで社交ダンスをただ楽しむだけでなく、グループでダンスプログラムを組み、地域の高齢者社会への奉仕として、エンターテーメントが提供できるんじゃないかと思い、13年程前に「Dance Now」を結成しました。
◆どのように活動が広がったのでしょうか。
最初、4組が集まりました。グループでフォーメーションを組むダンスやペアダンスなど、8、9曲のプログラムを構成して、あるダンスパーティーでの余興として躍らせていただきました。
すると、出席されていたお客様から「次は私たちの所に来てくれないかしら?」「私の勤めるナーシングホームでダンスしてくれないかしら?」と次々にコネクションが広がりました。6年前から年に一度公演している元敬老引退者ホーム(現サクラガーデンズ)とのお付き合いも、そこに入居していた友人からの紹介で始まりました。
社交ダンスは曲目の種類が多いので、いろいろな方に楽しんでいただけます。特に引退者ホームやナーシングホームで暮らされている多くの皆さんが、昔、社交ダンスをされていたようなので、強いコネクションを感じられるのでしょうね。
また私たちのグループも、ほとんどがリタイヤしたメンバーなので、同年代のダンサーが、昔懐かしい音楽でダンスするのも、皆さんに喜ばれる理由のようです。
今はメンバーも8組に増え、多くのコネクションができたため、月2、3回は、どこかで公演しています。
(写真左)一色さん(右)とダンスパートナーのフランク・トラップさん。(写真右)「Dance Now」メンバーたち
◆1年先まで、パフォーマンスの予定が決まっているそうですね。
最低でも半年前には、スケジュールを確定し、参加できるダンサ-を決めます。毎年行く場所では、なるべく新しいプログラムを披露したいので、本番に向けて週2回は皆で練習しています。
私の本職は、UCLA Extensionでの日本語教師、連邦・州裁判所の法廷通訳・翻訳業で、40年ほどしておりました。大きな裁判になると、通訳・翻訳者もチームが必要となりますから、私は、同僚たちに声をかけてチームを作り、コーディネートも自然とするようになっていました。あの頃から性に合っていたのでしょうね。今、「Dance Now」でしていることに、よく似ていますね。
◆「Dance Now」や通訳・翻訳業を通して学んだことは何ですか。
やることは、何であっても徹底的にきちんとやって、一つ一つこなしていくこと。そして、良い結果を出すこと。それがいつか、どこかで繋がり、良いものとして自分に返ってくることが分かりました。
<2018年11月3日掲載>
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。