旅は呼んでいる。
vol.22 ドイツ 〜ベルリン2〜
2019-01-24
ベルリンを訪れたのは歴史的背景が主な理由だったため、他の観光名所についてはおまけ程度に軽く考えていたのだがそれは大間違いで、新旧の建築物の洗練された美しさ、優雅さにすっかり魅了された。
第二次世界大戦における空襲により多くの建造物が破壊を免れられず、今は修復されているが1791年に建てられたブランデンブルク門もその一つだ。古代ギリシア風の設計で、上部には馬車に乗った勝利の女神ヴィクトリアの彫刻が飾られている。ナポレオンの凱旋からヒトラーの台頭、そして東西分断と統一を見続けてきたこの門は、デザインが美しいのはもちろん、ある種の畏敬の念を抱くほどの存在感だった。もう一つのベルリンの象徴とも言える戦勝記念塔でも、同じような感想を持った。
一方、カイザー・ヴィルヘルム記念教会では破壊された鐘楼部分が敢えてそのまま保存されており、戦争を警告するための記念碑となっている。生々しい傷跡が残された旧教会の内部は、今日でも色鮮やかなヴィルヘルム2世と皇后や宗教的なモザイク画が飾られていて、美術館のように見応えがあった。対称的に、隣接して建てられた新教会の方はまさに現代建築の極みといった内装。壁一面が青のガラスでサファイアのように煌めき、その中心には金色のキリスト像が祀られており神秘的な空間だった。
博物館島にあるベルリン大聖堂は青銅色の巨大なドームを含めた外観だけでも十分なインパクトがあるが、内部の柱やステンドグラス、パイプオルガンなどの装飾は今まで見た聖堂の中でも一番心を動かされたほど荘厳だった。ミサに参加した際の讃美歌の音響も素晴らしく、クリスチャンでなくとも感動すること間違いない。
他にもたくさんの楽しみ方があり、苺や香草のシロップが入った色付きビール”ベルリナーヴァイセ”や、メジャーな白葡萄の品種リースリングのワインの飲み歩き、ドイツ版のトンカツ"シュニッツェル"を頂くなど食の面も充実!唯一、テクノが有名なのにクラブに行けなかった事だけが心残りだ。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。