Los Angelesの顔
No. 79 ハッピー水谷さん 1
2019-02-23
2019年南加県人会協議会会長
不動産業Happy Commercial Real Estate代表
岐阜県出身の水谷さん(前例中央)は、長年、南加岐阜県人会会長を務めた。南加岐阜県人会会員の皆さんと友人と一緒に記念写真=2019年南加県人会協議会役員就任式
◆南加県人会協議会について教えてください。
南カリフォルニアにある各県人会が加盟する親睦団体で、現在、北は北海道から南は沖縄まで38の県人会が加盟していて、加盟県人会の会員数を合計すると9000人以上になります。1964年に設立され、55年の歴史があります。
アメリカで日本文化を普及・継承し、ひいては日米交流を図ることを目指して活動しています。
南加県人会協議会のミッションで重要なことは、当地で日本文化を伝えて広めていくこと、後世につないでいくことです。
主な活動は、次の3つがあります。
①毎年10月に演芸会を開催。各県人会の代表グループが民謡や日本舞踊などの伝統芸能や歌や踊りを、リトル東京のアラタニ劇場で披露。数十年にわたり主催している。
②アメリカで伝統芸能・武道・華道・茶道などの日本文化を学ぶ若者に奨学金を授与し、日本文化の習得を奨励している。授与式は演芸会で行われる。
③毎年8月の「二世ウィーク祭り」において、「LA七夕祭り」を共催。日本文化の一つである七夕を、アメリカの方々に広く知ってもらう活動の一つ。
この他に、ボーリング大会やチャリティゴルフ大会なども開催し、各県人会間の交流や日系社会内の親睦を図っています。
また日本で大規模な災害が起きた際には、南加県人会協議会の下、各県人会が結束して、被災者への義援金などを募る活動を行い、被災地に送ります。東日本大震災の時には50万ドル以上の義援金を被災地へ送りました。
◆水谷さんは、これまでの会長の中で最年少だと思いますが、プレッシャーなどはありますか。また抱負を聞かせてください。
南加県人会協議会は歴史も長く、規模も大きいので、ロサンゼルスの日系社会の中でも大きな影響力を持つ団体の一つといえます。つまり日系社会に対して同じだけの責任も担っています。
このように重要な位置を占める団体の会長に自分が相応しいかというと、正直なところ、自分はそんな器ではないと思っています。
会長就任にあたっては迷いや躊躇がありました。決断するまでに時間もかかりましたが、長年、日系社会を牽引されてきた歴代会長の方々をはじめ、多くの大先輩方がいろいろ教えてくださいますし、「できる限りのヘルプをするから」というありがたい言葉をいただき、背中を押していただきました。
また多くの仲間がサポートしてくれるので、皆さんの助けを借りながら、なんとか職責を全うしていきたいと思っています。
南加県人会協議会は皆さんのボランティアで成り立つ組織ですから、皆さんに自主的に時間や労力を提供していただくために、「参加したい」というモチベーションが必要です。ボランティアを通じて、何らかの学びがあった、よい仲間ができた、そして何より「楽しく」参加できたということが不可欠だと思います。活動に参加した皆さんが「ハッピー」になれるような会にしていきたいです。
2011年8月に、ロサンゼルス・リトル東京で開催された「第3回LA七夕祭り」の開会式。東日本大震災の被災者の復興を願い、日本の国旗を基にデザインした大きな七夕飾りが、コミュニティの人々によって作られた
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※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。