編集部
長編映画『アナザー・イエスタデー』で好演! 池田直之が最優秀助演男優賞!! 1
2019-04-06
(左)主演する次回作の撮影のために、髪の毛や髭を伸ばして役作りをしている池田直之さん(右)池田直之さん=『アナザー・イエスタデー』より
ロサンゼルス在住の俳優、池田直之さんが2月に「アクターズ賞(Acotrs Awards)」で最優秀助演男優賞を受賞した。長編映画『アナザー・イエスタデー』(スティーブン・ヘイル監督)で父親役を好演し演技力が高く評価された。
渡米10年目の節目に初めて賞を受賞した池田さんにインタビューした。
受賞の意味は。
『アナザー・イエスタデー』のスティーブン・ヘイル監督が「ナオ、ロサンゼルスの『アクターズ賞』で最優秀助演男優賞を取ったよ」って連絡をくれて、受賞を知りました。とても嬉しいです。
渡米して今年で10年目です。日本では映画にも出たことがありませんでしたが、アメリカで全くのゼロから始めてやってきたので、10年間の歩みも含めて、受賞が嬉しいです。
自分の演技について正直まだまだ不満な点があるので賞と自分の演技にはギャップがありますが、受賞した分、余計にいい演技をしよう、もっと頑張れるなって思いました。楽しさは倍増して、もっと上を目指したいです。
「アクターズ賞」で、『アナザー・イエスタデー』は、ベスト・アンサンブル賞も受賞しました。あのクルーで、あのキャストで、あの時間でやったから受賞できたと思います。誰か一人でもいなかったら違うものになってしまう、みんなで取った賞だと思います。
編集も含めて音楽やいろいろな要素がある基準を超えていなければ受賞できないので、『アナザー・イエスタデー』はバランスが良かったです。
他にも、ケント・マツナミくんが最優秀主演男優賞、ルシア・ロドリゲス・ネルソンさんが最優秀主演女優賞、ナタリー・ダックさんが最優秀助演女優賞を受賞しました。出演した俳優さん、皆さん、それぞれが素晴しい演技をして、そこに自分が参加できたことがラッキーでした。
今回の受賞は、自分が今まで目指して歩いてきた道が間違ってなかったという自分の自信にもなりました。次も自分の感覚を信じて、「これ」というものに没頭していこうと思って、そういう意味でもすごく嬉しかったです。
◆役作りと演技指導
『アナザー・イエスタデー』で日本人家族を一緒に演じた息子役で主演のケントくんと奥さん役のアキコ・シマさんも、ロサンゼルスを拠点にしていて以前から知っていたので、ウィスコンシンで撮影する前に、“家族”として食事に行ったり、電話で“家族”として話したりと、自分たちで役作りをしました。こういう部分がスクリーンにも出ていると思いますし、そこが評価されたとも思っています。
監督のスティーブンは、日本が大好きで黒澤明監督が大好き。日本の映画、音楽、ゲーム、アニメもよく知っていて、日本語も流暢に話します。
スティーブンの演技指導は、時に「TV番組『〇〇〇』に出てた竹中直人な感じ」という具合でした(笑)。普通なら分からないような指示も、竹中さんは僕の大好きな俳優さんなので、妙に細かいニュアンスが分かって演技をしたこともありました。
『アナザー・イエスタデー』(Antoher Yesterday)
周りにうまく馴染めない3人の高校生がお互いのために立ち上がり成長するストーリー。日本人のアキラは父親と衝突し、スコットは同性愛者であるがゆえにいじめられ、エリザベスは頭はいいが霊感が強く周りから気味悪がられている。それぞれの問題を解決するために、3人は互いに支え合い、助け合う。
監督:スティーブン・ヘイル
プロデューサー:ダグラス・ヘイル、ダイアン・ヘイル
キャスト:ケント・マツナミ(アキラ)、ルシア・ロドリゲス・ネルソン(エリザベス)、ナタリー・ダッグ(幽霊)、ビリー・チェンガリー(スコット)、池田直之(アキラの父親:タカシ)、アキコ・シマ(アキラの母親:ヒロコ)
賞:Los Angeles Film Awards、 ActorsAwards、Queen Palm Int. Film Festival、他多数。
ウェブサイト:www.anotheryesterday.com
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※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。