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コラム

ピアノの道
vol.17 練習量:節度vs没頭

2019-09-18

 「How many hours do you practice a day?」と、よく聞かれます。親御さんが小さなピアニストへの激励効果を期待して質問されている場合は、模範的に「一日4時間」と答えます。特に若い方、そして初心者・中級者には節度を持った毎日の練習は大切です。でもプロになると現実的には、そう単純な物ではありません。

 ピアニストの生活は不規則です。旅行も多いし、本番の日と練習日は全く違います。演奏会の企画・運営・PRにも関わる場合が多いので、ミーティングや事務仕事も多くなります。私の場合、著者としての勉強・活動やDr.ピアニストとしての研究・講義・学会でより一層不規則です。更に性格的に私は没頭型なのです。忙しい時期は朝一で、その日の用事や練習するべき曲目を書き出します。きちんと守れるときもあるのですが、大抵仕事を始めるとリストはそっちのけになってしまいます。

 20代の後半は練習に没頭していました。朝起きるとピアノに飛びつきます。寝泊りしている場所にピアノがある場合は歯も磨かず、パジャマのままです。そのまま夜まで一日着替えず、睡魔に負けるまで練習したこともあります。そういう時は、夢の中でまで練習しているんです!人生も生活も人間関係もすべて放棄して練習に夢中になる—これはピアノの上達や、曲の習得という意味では必ずしも効率的ではありません。例えば、一つのものをよく観察しようと何時間も目をそらさずにその対象をにらみつけると思ってください。段々対象がぼけてきて、最後には何を見ているか分からなる…練習も同じです。その代わり、全く違った精神世界に到達します。一度練習に没頭していて、はっと気が付くと見知らぬ練習室の窓の外にエッフェル塔が見え、仰天したことがありました。本当にパリに来ていたことを全く忘れていたんです!この時は時差や疲れもあったと思いますが、自分でもあきれます。まさしくピアノ馬鹿。でも、楽しいんです。

 ここ3日は本の執筆に没頭しました。回想録を書きながら、自分のルーツが明確になっていく得難い貴重な数日でした。半日執筆に充てるつもりが一日、二日と伸びてしまい、この原稿提出も一日遅れ!ごめんなさい!

 “Saints have no moderation, nor do poets, just exuberance.” ― Anne Sexton

この記事の英訳はこちらでお読みいただけます。
https://musicalmakiko.com/en/?p=1222


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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