キム・ホンソンの三味一体
vol.119 お弁当であってお弁当を超えるもの(?)
2019-09-12
先日、教会の皆さんと聖餐式のパンとぶどう酒についてお話しする機会がありました。教会では、人類の救いのために命を犠牲にしてくださったイエスキリストを思い起こし感謝するために、パンとぶどう酒による聖餐式というのを行っています。イエスご自身が十字架にかかられる前、最後の晩餐にて、パンを裂き「これはあなた方のために与える私の体である」と語って弟子達に与えられたことを再現しているわけです。
私達も毎週の礼拝でパン(どちらかと言えばウェハースに近いもの)とぶどう酒をつかって聖餐式行っていますが、このパンとぶどう酒は、ただのパンとぶどう酒でありつつも、キリストの言葉が加わることで、キリストの体と血が実際にそれらの中に伴われると信じられています。これは第三者からみるとまるで分からないことだったのでしょう。だから初代教会の頃は、「クリスチャンという連中は、人間の肉と血を飲み食いする儀式をやっているらしい」等という噂が広められ、それらを弁証論的に説明し弁論しようと試みるようになり、その努力が結果的に神学が確立されて行く切っ掛けにもなったようです。
復活ルーテル教会(下記)では、毎週の礼拝の後、ポットラックランチがあります。私は次の礼拝のためにすぐに移動しないといけないので、残念ながらランチには参加出来ないのですが、いつからか教会の皆さんが、それぞれ持ち寄ったものを私のためにお弁当に詰めてくださるようになりました。赤信号に停まる度に口にするそのお弁当がどれほど美味しいのかは、第三者にはまるで分からないでしょう。それは、そのお弁当を詰めてくださっている時「これも召し上がっていただきましょう。あれをもう少しここに詰めましょう。これも忘れずにね。」などと、教会の皆さんがお弁当を詰めながら話されていたのを、私が聞いていて、そのことを思い起こしながら食べているからです。数々の食べ物に加え、愛の心と優しい思いが詰まっているお弁当は、ただのお弁当であってそれを超えるものです。
【キムホンソン牧師の毎週の説教】
OC 復活ルーテル教会日本語部
9812 Hamilton Avenue, Huntington Beach, CA 92646
礼拝:日曜日、午前11時45分 (714)964-1912 california.lcrjm.com
LA 聖霊の実ルーテル教会
2706 W 182nd St Torrance, CA 90504
礼拝:日曜日、午後2時 (310) 339-9635 khs1126@gmail.com
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。