ピアノの道
vol.18 芸術で医療効果アップ!
2019-10-02
「Change happens by listening…」1950年代からアフリカでチンパンジーを始めとする霊長類の観察・研究を続け、2002年以降は国連平和大使をも務める、ジェーン・グドールの言葉です。先月末、国連で気候行動サミット(Climate Action Summit)が開かれ、グドールやグレタ・テューンベリ(16)に代表される環境保護活動家たちが、危機的見解発表をしました。
現代人は技術や軍事や経済で、目前の困難の外的要因を撲滅しようと必死です。でもその陰で、精神性や共感・想像力といったものに癒しや慰み、救いを見出す事を忘れているのではないでしょうか?一つ一つの不便を解決することで、宇宙のバランスを崩し、自然の神秘を人工的な不協和に変換し続けているのではないでしょうか?形あるものは壊れ、人は老い、死ぬ…分かっているのにあがき続ける私たちは、不便や困難を苦痛に感じる自身の内面に対処することが下手になっているのではないでしょうか?大事なのは利益や便利さや健康指数や長寿ではなく、愛情・信念・充実感・幸福感の積み重ね — 私が「Dr.ピアニスト」として聴覚に対する認識や、音楽のパワーを通じて訴えたいのは、そういう事です。
先週ボストンで、National Organization for Arts in Healthという学会に参加してきました。医療現場に芸術や技術を取り入れる動きが今世界中で勢いづき始めています。病院のロビーで定期演奏会を開き、病院中にアートを展示し、多様なアーティストたちを医療コミュニティーに参入することで、患者さんだけでなく、ご家族や医療スタッフも和み、コミュニティー全体のストレスや苦痛が軽減され、患者さんの鎮痛剤の摂取量や入院日数が減少します。そういう学術的研究と実例の発表が約250人の参加者に対して行わる3日間の会合でした。医療とは、病原の対処ではなく人のケアをするものである、という認識が、モットーの様に沢山の発言者によって繰り返されました。
私もDr.ピアニストとして、人のケアに携わります。音楽って本当に凄いんです。
この記事の英訳はこちらでお読みいただけます。
https://musicalmakiko.com/en/?p=1229
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

