ピアノの道
vol.22 天上の音楽
2019-12-04
「Music of the Spheres, a.k.a. Harmony of the Spheres (天上の音楽)」ってご存知ですか?古代ギリシャ発祥の概念です。①動き在るもの全てに音が在る。②天球は動いているので、音を出しているはず。③この音は私たちが生まれた瞬間から死ぬ瞬間まで途切れなく鳴っているので私たちには聞こえないが、これが究極の音楽である。④良い動きが醸し出す良い音楽はこの「天上の音楽」に共鳴する。何とも美しい考え方です。
この考え方の背景には、伝説的な数学者のピサゴラスがいます。彼はハモる音波はきれいな比例で表せることを発見したと言われています。長い弦をはじくと低い音がしますね。この弦を半分の長さではじくと、一オクターブ高い音が出ます。例えば「ラ」の音(440 Hz)から一オクターブ高い「ラ」(880 Hz)が、弦の長さで1:2です。さらに元の弦を3等分にして、3分の2の長さで弦をはじくと5度高い音がします。例えば「ラ」から「ミ」が2:3です。「ラ」から「レ」は3:4。凄いでしょ!?
数学=美。宇宙=数学の視覚化。音楽=数学の聴覚化。そして、音楽=数学的な宇宙の秩序の体現。美しい音楽を奏でることで、人間は「天上の音楽」の一部となる事ができる。ちなみにこの「天上の音楽」、ラテン語ではMusica Universalis。Music as a Universal Languageというフレーズの由縁の一つだ、と私は思っています。
16世紀にコペルニクスやガリレオ・ガリレイが天動説を覆し、天上の音楽は在り得ないと証明されました。それにも関わらずこの「天上の音楽」の美学は現代にいたるまで私たちを魅了し続けています。その理由の一つには実は天上の音楽には、最新の脳神経科学や天体物理学で説明できる真実が隠されているからなんです!
このテーマで12月14日(土)のお昼ごろ小東京図書館でレクチャーコンサートをします。最近小東京図書館に寄付されたアップライトを使ってのイベントです。英語や日本語を習得中の方々は是非同じ内容のレクチャーを両言語でお楽しみ下さい。
日時:12月14日(土)11:00~11:45(英語)、12:00~12:45(日本語)
場所:ロサンジェルス市立図書館小東京分館
203 S. Los Angeles St., Los Angeles, CA 90012
入場:無料
この記事の英訳はこちらでお読みいただけます。
https://musicalmakiko.com/en/?p=1298
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

