旅は呼んでいる。
vol.42 北海道 ~道東エリア~
2020-02-27
果てしない大空と、広い大地のその中でードライブしているとつい口ずさんでしまう名曲“大空と大地の中で”(作詞作曲:松山千春)のように、北海道は広大である。例えば本州からの玄関口、南に位置する函館から最東端の根室までは、ロサンゼルス~グランド・キャニオン間くらいの距離に相当する。
古くから日本画や花札で親しまれてきた“タンチョウ”を見てみたい!と訪れたのが、根室より少し手前にある釧路。頭頂部が赤くて脚が長く、真っ白な翼を広げて空を飛んでいる様子がとても優雅な鶴で、先住民アイヌの人々は湿原の神様として敬っていたそう。乱獲により個体数が減ったせいで現在は鶴居村で保護していると知り行くと…「こんなにたくさんいたら、あまり有り難みがないわねぇ」、と隣にいたおば様の言う通り少なくとも40、50羽がのんびりとしていたが野生のタンチョウを間近で観察でき、念願が叶った。
また、釧路といえばサンマや毛ガニ、真ツブ、オヒョウ(カレイの仲間)など豊かな海の幸に恵まれており、北海道内では水揚量ナンバー1!というわけで繁華街にある老舗店“八千代”で旬の刺身やお寿司と、合わせて地酒“福司/大吟醸”も堪能。しかし、今回の旅で新鮮だったのは、寿司は寿司でも“そば寿司”。創業140余年の“竹老園”というそば屋の名物で、緑がかったそばに酢が染みこんでいて、一緒に巻かれている生姜の香りがとても爽やか!歯ごたえも良く病みつきになる味わいで、近所にあったら週に1回は通いたい。天皇陛下もこちらで召し上がり、卵を使った蘭切そばをおかわりされたというエピソードも。
北海道らしい大自然が見られる摩周湖には何度も行っているが、春夏秋冬違う表情を見せてくれる。今回は雪と霧に覆われていて摩周ブルーと呼ばれる美しい湖面は見られなかったが、夏場よく晴れた日の青さはとても神秘的で、その透明度は世界でも1、2位を争うほど。
道東エリアだけでも、満喫するには最低3日間は必要だろう。時折歌を口ずさみながら、旅は続く。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。