What’s Up, 神主さん?
第14回 1年分の穢れを祓い、新年を清々しく迎えましょう
2020-11-25
12月31日、神社では「年越の大祓(としこしのおおはらえ)」を行います。
「年越の大祓」は、6月30日に行った「夏越の祓」と同じように、「人形(ひとがた )」を使って穢(けが)れを祓い清める神事です。その年の穢れを祓い、新年を清々しく迎えましょう。
「穢れ」とは、「気枯れ」という意味で、ストレスなどで心身のパワーがダウンしている状態のことです。それを祓い清める(リセットする)ことで心身のパワーのリチャージができるとして、古来より日本人は「夏越の祓」と「年越の大祓」を行ってきました。また、祓いをすることで開運を呼び込むことができるとも言われています。
共存共栄の精神を持つ神道は、この神事で個々のお祓いだけでなく、地域や社会の穢れも祓い清めます。
学校で掃除の時間があるように、年末に大掃除をするように、日本は清浄を大切にする文化を持っています。私はハリウッドの映画記者としてスターに取材することが多いのですが、来日経験について聞くとほとんどのスターが日本の清潔さに感銘を受けたと答えます。
なぜ日本人はきれい好きなのでしょう? これは、日本の文化・慣習の礎となる神道が「清め」を大切にしているからだと考えています。
神事やご祈祷の際に神主が白い紙のついた棒(「おおぬさ」と言います)を左右に振ってお祓いをしているのを見たことがある方もいらっしゃるでしょう。「おおぬさ」には祓いの力が宿っており、左右に振ることで清められると考えられています。「おおぬさ」に祓いの力が宿るよう、神主が祝詞「祓詞(はらいことば)」を読み上げますが、 「祓詞」はイザナギが黄泉の国から戻ってきた時に穢れを祓った時のエピソードが綴られています。このエピソードは古事記に書かれています。
年越の大祓では、1200年以上前から伝わる「大祓詞」を読みます。大和言葉で書かれた「大祓詞」は、日本の成り立ちや清めのインストラクションが綴られています。(興味のある方は当神社のYouTubeチャンネルをご覧下さい)。
アメリカ出世稲荷神社では、リモートにて「年越の大祓」を斎行いたします。人形をご希望の方は、当神社のウェブサイトからお申し込みください。
1年間の穢れを祓い、みなさんが清々しく新年を迎え、開運招福のお手伝いができればと思っています。
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。