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コラム

ピアノの道
vol65 人と人の間の音

2021-09-17

 ピアノを弾いているとピアノの弦の振動が伝わって、掌がじわじわとします。かすかにこそばゆいような感じです。弾くのに一生懸命な時には絶対に感知できない微細な感覚です。でも毎日の練習の最初にピアノに挨拶をするつもりで弾く和音や、初めての会場で初対面のピアノの音色や音響を確かめる時に、確かに掌がピアノに共鳴するのを感じます。

 ピアノは複雑で大きな楽器です。ピアノの製造には沢山の行程があり、多くの人が携わります。木を伐る人。その木を工場に運ぶ人。ピアノ製造過程に携わる沢山の職人さん。そのピアノを定期的に調整する調律師さん。私はピアノの鍵盤を押す事でそういう皆の夢を解き放っているんだ、と思っています。

 そういう風にピアノの道を歩んでいると、他の品物にも同じように想いを馳せるように成ります。調理する食材や口にするお料理。便利な小道具や身につける服飾。最近は本当に素敵な物が安値で手に入りますよね。昔は私もお得な安売りが大好きでした。でも最近、安いものの背景には安値で働かされる人々の人権侵害の問題がある事を知り、考えを改めるように成りました。「刑務所労働は現代の奴隷制」というアメリカの社会問題は「13th」というドキュメンタリー映画が見事に描き出しています。更にSweatshop(搾取工場)の国際問題もあります。今年一月にジェノサイド認定されたウイグル自治区の新疆は世界の二割以上の綿の生産量を誇りますが、その生産過程に人権問題が無いか問題視されています。自分の便利や快楽が他の人の苦しみで成り立っていたら...環境も汚染する我々の消費・使い捨て生活様式は、今こそ改めるべきではないでしょうか?

 私の愛用するスタインウェイは100年以上前に製造されました。私が13才で渡米しジュリアードに受かった時に両親に買ってもらった愛着のあるピアノです。私はこのピアノに関わった全ての人の想いを引き継いでいきます。

この記事の英訳はこちらでお読みいただけます。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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