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コラム

ピアノの道
vol.80 演奏は火事場の馬鹿力

2022-04-28

 何を隠そう私は逆上がりができません。「家系だからしょうがないのよ。」...母も祖母でもできなかった。「でも大人になったら逆上がりできなくても問題ないから。」母は慰めてくれるのですが、小学生の私には全然信じられませんでした。
 
 そんな運動音痴の私なのに、なぜピアノは弾けるのか。
 
 ピアノの鍵盤は一番低い音から高い音まで約140センチあります。激しい曲になると体全体を使ってその鍵盤をくまなく行ったり来たりします。試しに140センチくらいのテーブルを下から上まで行ったり来たりバンバンくまなく1分叩き続けてみてください、疲れますから。その上正確性も求められます。一つの鍵盤(キー)の幅は2.25センチです。一メートル先の2.25センチ内目掛けて「エイヤッ!」と一瞬で腕を思いっきり動かしたりするんです。
 
 「なんでマキコはピアノは弾けるんだろうね~。ピアノも運動神経が必要だと思うんだけど。」学生時代、陸上部やボート部に入っていた父は不思議がっていました。…確かに!
 
 最近思うのです。運動音痴の私がピアノを弾けるのは、火事場の馬鹿力ではないか。そして火事場の馬鹿力というのは、結局は切実な思いではないのか。自分の身の危険を冒しても救いたい人・建物・思い出があるのと同じように、私には運動音痴の肉体を限界まで駆使して創り出して共有したい音世界がある。何にそんなに突き動かされるのか聞かれればそれなりの説明はできるけれど、本当は理屈を超えているのです。だって言葉がまだ十分に喋れない2歳の時から弾いていたのですから。これはもう宿命なのです。

私の次のロスでの演奏会はこちらです。
日時:5月12日(木)19時開演~20時終演
場所:Thayer Hall at Colburn School(200 S. Grand Ave, Los Angeles, CA 90012)

無料チケットのお申込みと演目の詳細はこちらから


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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