JERCの教育相談Q&A
vol.26 人のために自分は何ができるか!
2022-05-26
“人のために自分は何ができるか!を考えていると、自ずと幸せな人生が送れる” とはある著名な心理学者の言葉です。この殺伐とした世の中、自分だけ良ければよいと考える人、自分の物は自分の物、人の物も自分の物と考える人も少なくありません。子どもが幸せな人生が送れるように、幼少期より、人のために自分は何ができるかが考えられる人間に育てたいですね。父親母親がお手本となり、日常生活の中で教えていくことが大切です。
現地校で学んでいる子ども達の間で、時々トラブルになるクラスでのヘルプの問題があります。日本から編入して間もない生徒に、教師はバイリンガルの日本人生徒をヘルプに付けることがあります。そのヘルプの問題で、保護者にまでトラブルが波及するケースがあるのです。“お世話になっているにも拘わらず礼も言わない” というヘルプする側の保護者が時々います。
ヘルプしてあげる子どもには「あなたも編入したばかりの時は、お友達にお世話になったのだから、今度はあなたが助けてあげる番よ」と話したらいかがでしょう。またヘルプしてもらう側の子どもには「よくお友達の言うことを聞いて、ありがとうと言いましょうね」とマナーを教えましょう。双方の保護者がそれぞれ子どもに、人のために自分は何ができるかを考えてみようね、と教育することで何のトラブルも起きません。
父親は、家庭を運営するための資金を得てくるのが仕事、母親は掃除、洗濯、家事、育児が仕事、そしてお金も稼ぎ、家庭の運営も担当されている方も・・・。様々な家庭のスタイルはありますが、お子さんには「お父さんは家族のために、お金を稼いできて下さっているのよ。お母さんは家族みんなのために料理をし、掃除洗濯そして学校への送迎、そして宿題も手伝っているでしょ」と、家族のためにも生きていることを伝えましょう。この様に親の日常を見ること言葉で聞くことで、子ども達は人のために何ができるのかを家庭の中でも学んでいきます。
また、様々なボランティア活動に参加することで、人のためにできることを自ら発見できます。海岸のゴミ拾い、シニアホームで車椅子を押す仕事、クリスマスの飾り付け、コーラス等々。人のために活動し喜ばれる仕事ばかりです。人のために何ができるかを実践しすべて終えたとき、自分にも喜びを味わう時が訪れるのです。
日本でも東北大震災で大きな被害を受けたとき、多くのボランティアの人々が現場に駆け付け、被災者のために活動されました。地域住民の方は、涙を流して喜ばれている姿をTVで観て、私も涙したものです。日本でのボランティア活動が、日常行われるようになったキッカケではなかったでしょうか。人のために自分は何ができるかを考え、実行された素晴らしい人々に称賛の拍手を!
私は海外在住日本人子女のために、約30 年教育アドバイザーを務めております。紆余曲折ありましたが、これからの日本を担う子ども達のための活動を続けております。海外で教育を受けたことがリスクにならないように!日米の懸け橋となり、今を生きている子ども達が将来、充実した人生を送れるように、これからも教育アドバザーの活動は継続して参ります。人のために自分ができることですから!
※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。