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コラム

ピアノの道
vol.84 『独立』とは『自由』とは

2022-07-01

 1776年7月4日に発行されたアメリカ合衆国独立宣言。「人間はみな平等」であり、「それぞれに命、自由、そして幸福追求の権利がある」そして、「この権利を保障するのが政府である」と書かれています。

 しかし、政府が保障するべき権利とは何か。ある人間の権利が、周りの権利を脅かす場合、特に問題が複雑化します。例えば銃の所有は個人の命・自由・幸福追求に必要な権利だとする意見がある一方、銃乱殺事件が相次いで多くの人の命・自由・そして幸福追求を妨げています。また、誰をもって人間とするのか、という問題もあります。独立宣言が書かれた当時は『人間』とは資産を保有する白人男性でした。今では『みな平等』とされる『人間』は全ての個人との解釈が一般的です。が、移民の権利も米国の予算を使って保障するべきか。受精卵は『人間』か。移民法や、中絶の是非などを巡って国内の意見が激しく対立します。

 DEI(Diversity=多様性・Equality=平等性・Inclusion=包括性)と言うは易しですが、どう現実化するのか。私はそんな時、自分の手を見ます。様々な10本の指がそれぞれ特徴を持って物を掴み、握手をし、ピアノを奏で、言葉をタイプします。右手と左手それぞれに役割があり、私という人間の一部を成しています。両手で打ったパンと言う音は片手では出せない。ピアノの鍵盤では、それぞれの指の長短や強弱が、その瞬間のその指にしか出せない音色を発し、その一音一音が絡み合って音楽になります。

 立場や視点が違うあなたがいるから私は私になれるし、あなたはあなたになれる。それぞれの言い分に耳を傾けあい、相手の立場や視点を尊重する。それが人間社会の道理として浸透した時、他人の権利を侵害する自由というのは無いと皆が実感できるはずと私は信じます。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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