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コラム

JERCの教育相談Q&A
vol.31 伸びる子は 人の話をよく聞く

2022-10-21

 日本から現地校へ編入したばかりの生徒に起こる現象なのですが、英語で授業を受けても理解できないため、言葉を聞き流す習慣がついてしまう生徒がいます。それは補習授業校でも起こっており、日本語で授業が行われているにも関わらず、言葉を捉えようとしなくなっている。人の話を聞かなくなった生徒の今後の成長が懸念されます。
 学校の成績が良い子、順調に伸びている子どもは人の話をよく聞きます。親、教師、友人との関りの中で、相手は何を言おうとしているのか、理解しようと耳を澄ますわけです。この姿勢が学習にも繋がり自ずと理解力が養われていくことになります。
 ではどのように育てれば、人の話に耳を傾けられる子どもになるのでしょうか?
 
① 家庭での親子の会話から
  人の話に耳を傾けられるようにする訓練は、まず家庭内の親子の会話から始ま
 ります。食卓を囲んで、今日あった出来事などを話し合うのです。また質問をし
 合うことで、相手が何を聞いているのかに耳を傾けます。聞くことに集中している、
 それが大切な姿勢なのです。
 
② 音楽に親しむ
  よい音楽を聴かせたり楽器を習わせることも、耳を育てるのに一役買ってくれ
 ます。以前カリフォルニア州立大学のある研究グループが調査をしたことがあり
 ます。ピアノを習っている子どものグループと、習っていない子どものグループ
 に分け、学校の成績を調べたところ、断然、習っているグループの方が成績は優
 秀であったという結果が出ました。これは常に音を聞くという姿勢が、学校教育
 の中で、教師の話を聞く姿勢に繋がっているものと考えられるからです。
 
③ 親も子も「待つ」こと
  親が他人と話している時に、子どもが割り込んで親に話しかけてくる場面がよ
 くあります。そのような時は「いま大切なお話をしているから、少し待っていてね」
 と言って、話を止めさせます。我慢をさせる訓練にもなりますから、ぜひ実行し
 てみてください。そのあとは、子どもの話をしっかり聞いてあげることが大切です。
 
 よく聞き取ったこと、聞き分けたことは「記憶」に残ると言われています。「記憶力」をよくするには、人の話をよく聞き、理解すること。それが学校での成績に繋がるわけです。学習は「記憶力」が大きな影響を与えます。さらに耳を育てることにより、親子の関係や友達関係を円滑にすることにもなります。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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岩永留美

教育アドバイザー

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