JERCの教育相談Q&A
vol.33 子どもの母語を育てる アルファー語(具体語)とベーター語(抽象語)に注目!
2022-12-23
子どもは母のことばで育てなくてはならない。母語がわかるようになってから、外国語を始めても遅すぎることはない、と言語学者も力説しています。今回は子どもの「こころ」を育み、「知能」を育てることばについてお話し、母語を育てることの大切さをお伝えしたいと思います。
1)アルファー語(具体語)とベーター語(抽象語)
お母さんはアルファー語(見ることも触ることもできる言葉)でゆっくり話しかける。子どもは最初アルファー語を習得し、それからベーター語(見ることも触ることもできない言葉)を習得していく。その双方が習得されたところで『子どもの心』が生まれる。それが三つ子の魂である。
『これはえほんね。これはリンゴ。これはボール』とお母さんは子どもに語りかけると、子どもは目で見て触りながら物の名前を覚えていく。語彙の習得である。
それから幼稚園に通う年齢になると、そこでベーター語をしっかり身に付けさせる。大人の話を聞く訓練が始まる。先生の話が聞き分けられるようにすることが大切である。
そして母親は家庭の中で、頭の中で解ることばを育むことである。昔話やおとぎ話を毎日きかせることで、見ることも触ることもできないことばを育む。
2)小学校で具体的言語の理解から抽象的言語の理解への移行
*母乳語(具体語)・・・見ることも触ることもできることば。犬と言ったら、そこに犬がいなくてはいけない。
*離乳語(抽象語)・・・見ることも触ることもできないことばで、頭の中で理解することば。
子どもには幼少期よりフィクション、物語、新しい思想、発見などの離乳語をしっかりと教えることが大切です。昔話やおとぎ話を毎日聞かせること、絵本を読ませることで育まれ、小学校での学習に大きな影響を与えることになります。
また本だけでなく、母親からの多くの語りかけも子どもには影響を与えます。単語を口にしたり質問をすることで、頭の中にインプットされていくのです。
先ずは、母語である日本語を育てることがいかに大切なことなのか、お分かりいただけたことと思います。
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※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。