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コラム

ピアノの道
vol.134 練習時間

2024-08-02

 「トイレに行く暇があるなら、練習する時間はあります。」
 
 学生時代、子供にピアノを教えました。現代っ子は忙しい。宿題・お稽古事・家族旅行・課外活動…それでも練習をしてくる子はしてくる。上達する子はする。逆に言い訳の創意工夫の成長が目覚ましい子もいました。「お母さんがカレンダーを来年のにしていたのに気が付かなくって…レッスンは水曜だけどカレンダーでは16日は水曜じゃなかったから…」小二の生徒ちゃんに一生懸命説明された時は、思わず大笑い。あの子は今はどうしているのでしょう。
 
 「トイレに行く暇があるなら...」というのは、私が自分に言い聞かせていることでもあります。今朝は7時半に家を出て、今この記事を書いているのはロサンジェルス空港。これからシアトルに向かいます。でも、出発前に5分だけバッハを弾いてきました。
 
 実際に指を動かしている時間は5分でも練習時間を捻出するために起床時から急いでいます。その間はずっと頭の片隅で、何をどう練習すれば短時間で最大の効果を上げる練習ができるか計算してるんです。バッハを弾き終え、スーツケースを引っ張ってドアを出ながら、練習後はずっと無意識の中で復習が続いています。
 
 7月26日、パリオリンピックが開幕しました。様々な政権や内情を抱える200以上の国・地域からの選手がベストを尽くすオリンピック。その中にはIOC難民選手団もいます。シリアやアフガニスタン、エチオピアやベネズエラなどの出身国から避難民として受け入れ先の国でトレーニングを続けている11か国から集まった合計36人の選手たち。彼らの粘り強さやチャレンジ精神に、背筋が伸びる気がします。どんな状況でも自己ベストを尽くして頑張れる。向上心・探求心・達成感で、苦労は挑戦に変えられる。
 
 我々も、まだまだ頑張れるのではないでしょうか。

この記事の英訳はこちらでご覧いただけます。


※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。
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平田真希子 D.M.A. (Doctor of Musical Arts)

日本生まれ。香港育ち。ピアノで遊び始めたのは2歳半。日本語と広東語と英語のちゃんぽんでしゃべり始めた娘を「音楽は世界の共通語」と母が励まし、3歳でレッスン開始。13歳で渡米しジュリアード音楽院プレカレッジに入学。18歳で国際的な演奏活動を展開。世界の架け橋としての音楽人生が目標。2017年以降米日財団のリーダーシッププログラムのフェロー。脳神経科学者との共同研究で音楽の治癒効果をデータ化。音楽による気候運動を提唱。Stanford大学の国際・異文化教育(SPICE)講師。

詳しくはHPにて:Musicalmakiko.com




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