ピアノの道
vol.141 平均幸福度を上げよう
2024-11-15
あなたはご自分の幸せには何が必要だとお考えですか?
周囲の幸福度が本人の幸福感を影響すると示す研究は沢山あります。例えば2008年のハーヴァード大学の研究によると、Aが幸福だと、Aの友人のBの幸福確率が25%、Bの友人のCが10%、そしてCの友人のDが5.6%増えるのだそうです。CとDは、Aとは赤の他人なのに!
できるだけ多くの人が幸せになれば幸福の好循環が勢いづく―ここを政治の最優先にすると民衆の生活と将来の見通しが政治の重要課題になり、教育・医療・保険などの社会福祉が大事になります。独立宣言には「人間みな平等で生命・自由・幸福の追求の人権は不可譲」とあります。自由の女神の台座には移民を歓迎するエマ・ラザラスのソネットが刻まれています。「疲れや貧しさに喘ぎ、自由に焦がれて岸辺に群がり、安住を拒まれて嵐にもまれる哀れなさすらい人たちを私に送れ。私はランプを掲げて黄金の扉を示す。」『移民の国』アメリカ民主主義の理想です。
一方、個人の人権よりも政府の権威や法の執行を優先し社会秩序を重んじる政治もあります。この方が経済の立て直しなど、大国の大問題の解決には効率がよいとも言えるでしょう。問題は同じような政治家が集まった政権が多様な民衆全ての人権を尊重するか、ということです。今回の米大統領選の結果の不安はトランプ信望者の多くが「アメリカは白人の国」「アメリカはキリスト教の国」と主張する白人男性優勢主義者だということです。「アメリカ・ファースト」は、第二次世界大戦以降アメリカが担ってきた国際社会に於ける民主主義の守護者としてのリーダーシップの終焉を意味します。
知恵・情報・ご馳走・富・爆笑・思い出・愛情…共有すれば意味が倍増するものばかりです。私は世界の平均幸福度を上げるために音楽家になりました。世界は一つ。人間みな兄弟。音楽万歳。
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※コラムの内容はコラムニストの個人の意見・主張です。

